Geoff McFetridge × DAIWA PIER39 Lakeside POP-UP Gallery at Lake Chuzenji

Geoff McFetridge × DAIWA PIER39 Lakeside POP-UP Gallery at Lake Chuzenji

“大自然と都会をシームレスに繋ぐ架け橋”として、釣りとファッションを融合させてきた〈DAIWA PIER39〉。その思いさらに深く表現すべく、トラウトの聖地と謳われる中禅寺湖において、2日間のみのアート・エキシビジョンを行いました。
釣り好きであり、また長年DAIWAファンである世界的アーティスト、ジェフ・マクフェトリッジ氏とのコラボレーション・アイテムを発表すると同時に、マクフェトリッジ氏が今回のためだけに描いた9点の新作絵画を展示しました。
アート・エキシビジョンのタイトルは、“Double Sided Landscape”。DAIWAから提案された「魚と人間の共存」というテーマに応え、自然と人間の関係性を問い直す、湖の揺らぎのような深淵さを讃えた作品が展示されました。

自然を愛してきた歴史を体感できる空間。

明治初頭から、中禅寺湖は外国人たちの避暑地として人気のあった場所。それまで魚のいなかった湖に岩魚や鱒が放流され、釣りの絶好のポイントとして知られていきます。
その歴史ゆえにトラウトの聖地とも呼ばれ、現在も多くの釣り人たちを惹きつけています。展示を行った「イタリア大使別荘記念公園国際避暑地歴史館」を設計したのは、かの建築家アントニン・レーモンド。中禅寺湖の環境が、いかに人々に愛されてきたのか、体感できる空間です。

魚と肩を組んだ人間など、「魚と人の共存」というテーマで描き下ろされたドローイングは、Tシャツやショーツ、半袖シャツなどのアイテムに落とし込まれました。
吸水速乾に優れた機能的な素材と有機的なグラフィックの対比は、〈DAIWA PIER39〉の世界観をさらに押し広げるものとなりました。
また、ノベルティとしてマクフェトリッジ氏のグラフィックが描かれた、DAIWAのロングセラープロダクト「ピーナッツ(ルアー)」を製作しています。

ジェフ・マクフェトリッジ、インタビュー。
釣りと私の描くもの。

「Fishing is always fun」。“どんな時も釣りは楽しいよ”と、穏やかに語るジェフ氏へのインタビューは、彼の好きなフライ・フィッシングとの付き合い方に始まり、コロナ禍における制作や今回の展示におけるテーマなど、自然と人間の関係性をベースに多岐に渡っています。
なぜ、ジェフのアートが心の深いところに届くのか。その理由の一端が、穏やかな語りから伝わってきます。

 

 

DAIWAが共に描く、中禅寺湖の未来。

東日本大震災による福島の原発事故のために、中禅寺湖にも放射性物質が降り注ぎ、この湖に棲むトラウトをはじめとする魚たちは、そのために持ち出し禁止となってしまいました。
遠のいた釣り人を再び呼び戻すためにはどうすれば良いのか? 中禅寺湖の漁業協同組合から相談を受けたDAIWAが提案したのが、継続的に検査をし、すべてのデータを明らかにすること。
そのための一つの手段として、釣り大会を開き、そこで釣れた魚は全て検体、つまりモニタリングに使われました。現在も調査は続けられ、徐々に放射性物質が減少している実態が報告されています。

また、一般の観光客のための釣り体験をサポートしたり、子どもたちのためのフィッシングスクールを計画、40余年の活動履歴を有する「DAIWA YOUNG FISHING CLUB」のメンバーが参加し、樹齢200年以上の森のある千手が浜自然体験プログラムを行なったり、中禅寺湖の未来のための活動は続いています。
魚の持ち出し禁止という不慮の事故による復興はしかし、改めて中禅寺湖がいかに大切な場所なのかを考えさせるきっかけになっています。本来は自然の一部であるはずの人間が、持続的に釣りなど自然体験を楽しむにはどうすれば良いのかを考える、象徴的な場所となっているのです。